廣田裕介監督『映画 えんとつ町のプぺル』感想

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何もしないと決めた休日に、何気なく見たこちらの作品に大号泣したので今更ではありますが、感想を書きます。

プペル
公式サイトより引用

皆様ご存知、製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣氏。

2020年に公開され、世界であらゆる賞を総なめした作品でございます。

個人的にぐっと来たポイントを3つ紹介します!

1 開始数分で客の心を掴む展開

今がハロウィンの夜で、異端者が排除されている世の中で、煙に覆われている町。という設定がぎゅっと詰め込まれているところ。

ルビッチとプペルの出会いから帰宅するまでの躍動感ある引きの絵からのトロッコ移動。

この2点だけを切り取っても、この作品が緻密な計算からなっている映画作品だということが読み取れる。

客は二人が家に帰宅するまでの間もない時間で、既にこの世界観を受け入れる準備が出来るからだ。あとは何が起こっても、色々気にしないし、ただ純粋に見ることに集中できる。

こういう冒頭部分に力を入れて、エンタメを分析し、昇華しているところをあっさりとやってのける様に作り手の本気度を感じてします。

2 STUDIO 4℃の圧倒的映像美

『鉄コン筋クリート』でも知られる世界でトップクラスの制作会社が作っているところは非常に大きいと思う。

勿論西野氏の絶え間ない活動の果てに会社の賛同を得られたというのはあるだろうが、彼らが手掛けたことはこの作品をとても大きな価値を生み出したと思う。

それも西野氏の戦略の一つだとは思うが、圧倒的なジャパニーズアニメの底力を感じさせるには十分な布陣だったと思う。

STUDIO 4℃でなければこの作品はこれほどまでにヒットしなかっただろう。

3 メッセージ性に説得力をもたらす西野氏の生き方

制作会社も、スタッフもキャストも音楽も全てが良い。

しかし、何よりも観客が心を掴まされるのはこの作品のメッセージ性に他ならない。老若男女、全ての人に刺さる内容だと言える。

そしてそれが詭弁でも、嘘っぽくもなく、純粋にぐっと刺さるのは、ルビッチが西野氏自身で、西野氏の今までの生き方がその言葉をとても説得力を重くしているのだと思う。

良くも悪くも目立つ存在になっている西野氏自身を、うまく宣伝媒体にしたというのはあるのかもしれない。それすら彼の戦略の一つだと思うし、それで良いと思う。

彼が今、どういうことをしているのか、何を取り組んでいるのか、庶民は少しは知っているだろう。

だからこそ、この作品が彼自身が抱いていることだと観客は思うし、想像するし、深く突き刺さるのだ。

これで、西野氏自身がお金持ちライフを満喫していたり、落ちぶれていたりしていたら、ここまで観客には刺さらなかったのではないだろうか。

彼が今までこういう困難と向き合い、これからも向き合い、ひたすら挑戦し、新しいことをどんどんしている姿があるからこそ、人々は感動し、励まされ、夢を見る。

まとめ

穿った偏見があり、今まで見てこなかったことを深く後悔した。

これは学校教育の一環に取り入れるくらいの哲学的作品だと言える。

8月は『火垂るの墓』、10月は『えんとつ町のプペル』くらいに。

(今、『火垂るの墓』って小学校で流さないのかしら???)

ハロウィンという限定設定を押し出したのも、1年に1回見る気持ちにさせるという点では素晴らしいと思う。

10月になったら『E.T』と同じくらいの頻度で地上波で流すべきだ。

とにかく最高のアニメーションなのは本当に間違いない。これからも永く遺る一本だろう。

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