9月になったので、絶対にこちらを紹介したいなと!超個人的感想になります(笑)
ここが凄いよ、まほかるさん1・人物相関図!
とにかく、沢山の人が出てくるんですけど、それぞれの人が本当に複雑に絡みあっていて、ここと、ここが繋がって、ここにこんな真実があるの!?
という驚きの連発です。
はじまりは息子の失踪っていうところだったのに、息子を探せば探すほど、山のような人との関係性がどんどん出てきて、無駄な人が一人も描かれていないのが衝撃的でした。
この本以降を読むと、トラウマのように深読みしまくってがっかりするっていうことが頻繁にあるので要注意かもしれません。
ここが凄いよ、まほかるさん2・人物、背景、展開描写!
沢山の人がそれぞれの真実で行動している描写が本当に凄くて、誰も悪くないし、みんな愛があるんです。それが、自分の価値観の中の愛だから、ややこしい、複雑だし、美しかったりするんです。
そして、あっさり且つたっぷりと相反する展開描写をあっさりと描く。少しエログロで嫌悪感を持つ人もいるかもしれないですが、だから人間味があって、誰にでも感情移入してしまう。どこにでもいるありふれた人達の集まりだから、人間臭くて身近に感じられる、
いつか自分の身にも起こるであろうと思わせる感覚が本当に素晴らしい!
ここが凄いよ、まほかるさん3・56歳での衝撃のデビュー作
本作は元主婦で、離婚歴がある元僧侶という稀有な肩書をお持ちのまほかる先生が56歳にして書いたデビュー作。ホラーサスペンス大賞を受賞したというのは、有名な話です。
将来有望な若い人の糧になるために、こういう賞を本来はあげたりするらしいのですが、あまりにも文章力が凄すぎて、大賞以外考えられないという理由で受賞。まほかる先生が先駆者となって、その後年齢などはあまり規定基準にはならなくなったという話もあるくらい。
何が言いたいかと言うと、色んなことを経験したからこそ、描ける世界感があって、説得力がある。若ければ良いということを根底から覆すくらいの圧倒さがあるんですよね!
最初僧侶と聞いたときはちょっと難しい説法のようなものなのかな、と身構えたものの、本作に関してはそういうものは一切ない。だけど、どこか世界を悲観していながら、愛に満ちている。それが、純愛かどうかは置いておいて。
そんなことを描ける人を私は知らないし、こういう物書きになれたらいいのにとしばらくまほかるワールドから抜けられませんでした。
まとめ
とにかく、何が言いたいかというと、文章力が凄くて、読者に想像させる力が圧倒的だということです!
元々湊かなえさんもすごく好きですが、湊先生を上回るくらい、今は大好きです。
ただ、2023年現在、75歳ということで、新作の情報が全くないのが、とても悲しいのですが、どうかどうか、新しいまほかるワールドに早くお目にかかりたいと思っております!
9月というセンチメンタルになり始めるこの時期にめちゃくちゃおススメの一冊でございます!!
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